今月のパーマカルチャー塾は2泊3日のスケジュール、内容も盛りだくさんでした。
1日目は、自然農の様々な圃場をめぐる見学会です。最初に伺った松本市にある「自然農法センター」は、全て国内で採種した自然農法種子を販売している公益財団法人です。説明によると、現在は農を営みとする人に対して、農薬を使わず最低限の有機肥料を与える方法でいかに経営を成り立たせるか、そこに焦点を当てた研究をされているようです。
見学させていただいた圃場は、一畝ごとに栽培している畝と休ませている畝が交互に配置され整った美しさがありました。その畝では、同じ名前の野菜でも品種を変えて比較し、栽培方法を少しずつ変えて比較し、一番良い手法が追求されています。
次に伺ったのが、中河原さんの圃場です。中河原さんの実践する農からは、目から鱗が取れるような氣づきをいくつも受け取ることができました。その基本は、人が手をかけないでも自立して育ってゆける野菜を作ることと思えました。
例えば、美味しかったトマトを実一つ丸ごと圃場に置いておくと、沢山の発芽があり、それは支え合って伸びてゆき、自然に数が減り残るトマトが決まり、丈夫な苗が残るといった経緯をそのまま受けとめているのです。
機械を一切使わず、野菜たちと対話するように畑を作っている中河原さんの美しい農に、ぼくは深い感銘を覚えました。
夕食は、塾生、健二さん、スタッフの皆さんとで自炊です。事前に確認しあうことを禁じ手とした具材持ち寄りによる、何がどれだけ入るか分からない「ほうとう」を作りました。そんな予測がつかないことも、楽しみにしてしまうパーマカルチャー塾の考え方があると思えました。
健二さんが作ってくれていた「ほうとう」の生地を、それぞれが思い思いに伸ばして麺にしてゆきます。これは、とても楽しめます。子どもたちを交えたイベントなどには、うってつけだと思いました。
2日目、朝7時から10時まで農業実習です。チームごとの畝を管理してから、ジャガイモを収穫し、その後に人参の種を蒔きました。今年のパーマカルチャー塾は天候に恵まれていて、野外にいる時に一度も雨に降られていません。晴れ女、晴れ男だらけの塾生です。
ブランチを食べて、その後はシャンティクティの見学に出かけました。健二さんは、ここを地上の楽園と語りますが、こんなところで暮らせたらいいなと憧れる人は少なくないと思います。
ティピ温室の竹組みが立つ庭は、まさしく「食べられる庭」であり「美しい庭」でもありました。多様な生物が共生する中で、人がその恵みの一部をいただく、そうした暮らし方のモデルがここにあります。今回は「種カフェ」で訪れたときに見ることができなかったアースバッグハウスの内部も見学できて、ぼくにとって嬉しい訪問となりました。
引き続き、シャンティクティで宮本たみこさんによる野草講座が行われました。人が食べたり、その効能を利用できる野草は驚くほどたくさんあり、単に現代人がその知恵を忘れているだけなのです。古には、そうした知恵を世界中の民が伝承していたのでしょう。
座学の後は、シャンティクティの敷地から野草を採取し、虫刺され用のチンキを作りました。みんなで野草を探し、選別し、刻んで、各自が持参したガラス瓶に入れ、アルコールに漬けます。3か月が経ったころ、チンキは出来上がります。
ひとまず、今回の塾前半の報告を終えたいと思います。続きは「安曇野パーマァルチャー塾・7月の2」をご覧ください。http://morinohotori.com/%E6%9C%AA%E5%88%86%E9%A1%9E/azumino_parmaculture_july_2/
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