放射能汚染について無頓着な人が多いことに、ぼくは驚いています。

子供たち、孫の世代、さらに途方もない期間にわたって、放射能汚染の影響は続くのです。

福島で原発事故があったことを、なんだか忘れかけている日本人、見たくないものを見なくても、実際は何ひとつ解決していないのです。

いまでも毎日、放射能汚染水は太平洋に流れ出しています。テレビでは放送されませんが、遺伝子が変異してしまった生物が、福島県でたくさん発見されています。

日本の政府は、とにかく被害を小さく見せたい。そのためには本当のことを隠してもかまわないと考えているわけです。テレビや新聞にも、政府からの圧力がかかっているので、本当のことは伝えられません。

ですから、日本では本当のことが国民に知らされていないことを強く自覚しないと、自分の身を守れないことになってしまいました。

政府が国民を大切に考えていない分かりやすい例として、放射能の安全基準値が改悪された事実があります。

福島事故の前までは、他の先進国とさほど変わらない基準値でしたが、事故の後に10〜100倍もゆるい基準に変えられていているのです。この基準は世界の常識では有りえない数値で、とても安全とは言えないのです。

良識ある専門家は、日本政府の決定に否定的な見解です。前と同じ基準値では、そこに収まらないものが沢山でてきてしまうので、桁違いの緩和をして、世界の基準では安全と言えないものまで安全に含めてしまう、そうした国民の安全を無視した政策が行なわれています。

今の日本では信じられないことに、国際的には要管理の排水基準値が、赤ちゃんに与えてよい基準とされているのです。

ぼくは、こうした事実を知らない人が大多数であることに驚きます。政府が食べても安全と言ってる数値は、事故以前には、放射性廃棄物として厳重管理しなければいけなかった数値なのです。

それなのに、安全だから「食べて応援しよう」とコマーシャルしているのです。被災して困っている福島県の人々を、買って食べることで応援しよう、諸手を挙げて賞賛しそうな美しい言葉に心を動かされた人も少なくないでしょう。

人気者のTOKIOが出ているので「そうだね!」と思わず言ってしまいそうです。でも、その食べるものが国際基準では安全と言えないものだと知っていたらどうでしょう?

原発事故のとき、政治家は「ただちに影響はない」と繰り返し言いました。これは裏返せば「そのうち影響がでる」ことを言い逃れする言葉だったのではないでしょうか。

古今東西、政府は必ず嘘をつくものなのです。我々は、このことを今一度しっかり認識する必要があるでしょう。