日本列島に台風が接近する中、野外作業時の天候がかなり心配されたパーマカルチャー塾でしたが、講座の順番を組み替えることで今回も全ての予定を終えることができました。ほんとうに晴れ女と晴れ男が集まったとしか思えない今季の塾生です。
2泊3日の初日、最初の講師は村田真平さん、「自然を収奪せず、人を搾取しない」というテーマでお話を聴きました。あくまでも穏やかに誠実に語る真平さんの言葉には、計り知れないほどの人生経験とものごとの遠くまで深く洞察する視座が詰まっていました。塾生は自然とその話に聞き入り、それぞれに感ずるところ多き時間となりました。
このままの暮らし方を続けていれば人類は滅びるしかない。その未来を変えるには、自然の摂理を知り「農」を中心に据えた「森」を取り戻す文明にするしかない。淡々と語るその言葉は、聴くものを脅すわけでもなく静かに胸に到達するのです。現代社会への憤りを超えた「普遍的な愛」と、ぼくには感じられました。
真平さんは福島県飯館村の農家に生まれ育ち、三重県にある「愛農会」やバングラディシュ、タイでの自然農業アドバイザーなどを経て、飯館村に自分の理想とする拠点を作りつつありました。そして10年経った3.11、あの原発事故が起こりました。状況を冷静に判断し、真平さんは迷いもなく家族と共に福島の地から脱出したのです。
農場という物は無くなったけれど、野菜を育て物を作る手段を自分は持っているので大丈夫だと思っている、「食べる物を作ることができることほど、安心と思えることはないのです」そう語る真平さんは、ご縁のあった三重県で放棄された限界集落の地を新たな拠点として整えている途上ということです。
お話を聴いたあとは、塾生からの質問に真平さんと健二さんが応えるオープンセッションが行われました。お二人それぞれの応えから、社会が目指すべき指針を確認することができ、この時間がもっと長く欲しかった塾生も多かったと思われます。
夕食は、2度目のポットラックパーティです。今回は、それぞれが持ち寄った料理をコース料理と見立てて、出す順を考え一品ずつお皿に給仕してゆきました。食べる直前に、作った人から素材やこだわりの説明があるので、その一品に皆んなが集中して注目できます。これは、面白いやり方だと思いました。
9月は内容が盛りだくさんなので、続きは「その2」に書くことにします。http://morinohotori.com/shoku_kenkou/parcal_september_2/
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