2日目の7時からは、ミカちゃん先生(上條美香さん)による講義です。ミカちゃんは、パーマカルチャーとは何ぞやについて毎月教えてくれるメイン・ティーチャーです。

元々は小学校の先生をしていたのですが、パーマカルチャーと出会ったころにマンモス校に配属されたことが、貨幣経済にどっぷり取り込まれた自分を再確認する機会になったと語っています。そこから教師を一旦お休みして、世界を巡ることで何かヒントを得ようと、様々な国に滞在しながら体験し考える日々を積み重ねてきたようです。

この時間は、グローバリゼーションとローカリゼーションについて、自分の見てきた世界の事例を紹介しながら、両者の関わりについてレクチャーがありました。インドネシアのジャングルを切り開いた油ヤシの巨大な単一栽培の農場は、現地部族が多様性ある熱帯雨林からの恵みを得て営んできた理想的循環型生活を破壊してしまいました。その愚行が行われる原因は、日本など先進国の消費者が安い石鹸を求めることにあるのです。

また、アボリジニと彼らの聖地近くで開発されるウラン鉱床の事例では、露天掘りの現地で雨が降ると放射性物質を含んだ泥水が流出し周囲を汚染していることを知りました。これも日本の原発で使用する核燃料として関連しています。ローカルの破壊がグローバルな消費によって起きていることに、多くの市民が氣づき消費行動を改めるべきことは明白です。

他にも、エコビレッジやコハウジングの事例をデンマーク、スコットランド、ベトナムなどで滞在してきたミカちゃん先生にスライドで紹介してもらいました。世界中を巡ってきたすごい行動力に驚きです。

シャロムのレストランで、10:00からブランチをいただきます。動物性の素材を使わない美味しいベジ料理を、ビュフェスタイルでお皿に取ってゆきます。このとき、好きなものでもちょっと少なめに自分のお皿に取り分けます。最期の人までゆきわたるように氣づかう、ここでもパーマカルチャーの倫理観「分かち合いの精神」を身につけるようになります。

そして、食後は交代で食器を洗います。今回の写真が女子たちとなったのは偶々のことで、もちろんぼくたち男性も率先して流しに立っています。お皿に残っていたものを最期にパンで拭ったり、お湯を少し注いでお箸で軽く汚れを落とし飲んでしまうのも、洗う人を氣づかうパーマカルチャー塾の流儀です。

食後は、シャンティクティで健二さんと共に食べられる庭を作っているうたさん(小田詩世さん)による講義です。1コマ目は、種取りについて学びました。未熟のかたちで食べている野菜と、完熟のかたちで食べている野菜とでは、種の取り方が違うことを教わり、自家採種した種は買ってきた種とは比べものにならないほど強い野菜になることも知りました。

グローバル企業による食と種の支配が目に見える脅威となってきた昨今、自分たちで種を繋ぎ守ることの重要性を塾生が再認識した時間でもありました。

うたさんの2コマ目は、レインボー・バレー・ファームについてのお話でした。ニュージーランドにあったそのファーム、そこに行けば「パーマカルチャーとは何か」が分かるよと、うたさんは言われて滞在しに行きました。そして、それは聞いた言葉どおりだったということです。

うたさんが訪れた当時(2000〜2001年)、すでにレインボー・バレー・ファームは世界でも有数の完成されたパーマカルチャー農場として人気があったそうです。ジョー・ポラッシャーさんと、ニュトリッシュ・アレンさん夫妻の農場は約20ヘクタール、この土地を購入した時には「こんなゴミの土地を買ってどうするのか」と言われたそうです。

その土地が、パーマカルチャーを学んでいた夫妻によって、見事なまでに美しく調和のとれた農場に変貌した様子をスライドで見せてもらいました。あまりの素晴らしさに、ぼくも目を奪われました。詳しくは、うたさんがこちらのHPでレポートしています。http://www.ultraman.gr.jp/perma/rakuenndekurasu.htm

この後、温泉に皆んなで行ったのですが、一坪ほどの露天風呂に7人が入ることに。「塾が始まったころでは、こんなギュウギュウはありえなかったよね」「ほんとだね。」と、パーカル塾は人と人とを親しくさせる魔法の講座なのだと思います。

今月は、2回の紹介でも文面が足りません。続きは、その3に書くことにします。http://morinohotori.com/shoku_kenkou/parcal_september_3-2/