お友だちの家で、パーマカルチャーの手法の一つであるロックスパイラルガーデンを作りました。

當眞香苗さんのお庭は、飼っている日本みつばちたちのために本当に多様な花が咲いています。そのお庭に新たなロックスパイラルガーデンをお友だちと作りたいということで、ワークショップの開催となりました。

香苗さんには、事前に沢山の石と土を集めておいていただきました。このガーデンは、思ったより沢山の石を使うことになります。安曇野のパーマカルチャー塾で作ったときは、軽トラの荷台に一杯以上の石を使いました。スパイラル状に真ん中へいくほど高くなる構造のガーデンですが、高くなる所も地面のベースから積み上げる必要があります。土の山に石を並べただけでは使っているうちに形が崩れてしまうので、見えない地中部分まで石が積み重ねてあるのです。

パーマカルチャーの考え方では、材料に身近にあり使われていないものを使います。資源の有効利用、移動させるエネルギーの低減などを考慮するからです。自然石や取り壊しで出た屋根瓦やレンガなど、自分の工夫で何を使ってもよいのです。竹や丸太で作っている事例もあります。

今回は、香苗さんがこつこつと集めてくれた河原の石を使いました。パーマカルチャー塾では、石の積み方の細かいところまで学ぶ時間はありません。ですから、あとは各自の創意工夫と石積みのセンスのようなものです。ぼくは、自宅造成のときにプロが石積みしているのを観察していたことや和式の石積みについて書かれた本を少し読んだことがあるので、そのあたりの知見を引き出して行います。

石は上から重さが加わることで安定したり、崩れたりします。これは、やりながら身につけるしかないように思われます。比較的大きめの石で全体を形作りながら、細かい石を適所に差し込んで安定させてゆきます。仮に崩れるとしたら円の内側になるように荷重を按配しながら積んでゆきます。中に土を入れることで、内側への荷重は受け止められるからです。

ガーデンに高低差を大きくつける場合は、土が流れ落ちないためにスパイラルの途中何箇所かに石積みを渡します。これは、スパイラルが崩れにくくなる補強にもなります。それでも使っているうちに石が崩れることはあると思いますが、そのときは直せばよいのです。なぜここが崩壊したのかと考えることで、次に石を積むときはもっと上手にできるはずです。

ロックスパイラルガーデンの横に、あり合わせのもので小さな池も作ることにしました。不要となっていた漬物樽を掘った地面に入れて、プラが見える部分を麻袋を被せて隠し、周囲を石で押さえて完成です。中には、稲の苗を植えました。

石が組みあがったところでランチ休憩です。香苗さんがお友だちに頼んで作ってもらったお弁当を、皆さんといただきました。動物性不使用のお弁当、とても美味しくて見た目も可愛らしいものでした。香苗さんの蜂蜜を使ったプリンやハーブ水もいただき、まったりとした昼下がりを心地よく過ごしました。

ランチ後は、土を入れハーブを植えてゆきました。土を入れる前に、底に麦の茎を敷き空気や水の通る対流層を作って、その上に広葉樹の落ち葉を入れ、土をかぶせました。落ち葉の上に米ぬかを撒いてもよいと思います。

スパイラルガーデンには、香苗さんの希望でいろいろな和ハーブを植えました。参加メンバーの一人・岡智子さんがハーブの専門家なので、様々な和ハーブを持ってきていただきました。お二人ともうお一方はみつばちの縁で繋がり「野あそび工房」という素敵な活動をされています。https://noasobi3.amebaownd.com/pages/1498188/profile

明日葉、八重咲きのドクダミ、ユキノシタ、カキドオシ、コゴミ、藍、赤色の三つ葉、などが定植され、頂上にはお茶の苗木が植えられました。自然石の石積みと和ハーブが似合う、素敵な「ロックスパイラルガーデン」が完成しました。

香苗さん、お集まりの皆さん、素敵な一日をご一緒でき、ありがとうございました。