その4:子ども世代に持続可能な地球環境を残すため

世界の飢餓人口は8億5千万人と推計されています。小学校の一クラス20人に置き換えれば、20人のうち2~3人は飢え死にしそうな状態といえます。

世界人口は50年前の25億人から、現在は65億人まで増加しました。2050年には91億人に増加する(中位予測)と予測されています。

アンバランスで不公平な食糧の分配、食べずに捨てられてしまう膨大な食糧といった難題もありますが、今でさえ8億5千万人もの飢餓状態の人々がいるのです。

このまま世界人口が増える中、人々が好き勝手に肉食をしていては、全ての人々を養えないのではないか?

これがシンプルな問いかけです。

牛肉1キロを作るためには、10〜30キロの穀物を必要とします。家畜を育ててその肉を食べることは、人間が作物を直接食べることに比べると何倍もの穀物生産が当然必要になるのです。また、多量の真水も必要となります。人間が使える水資源が逼迫している今、これも大きな問題です。

食べることができない牧草などを除外した推計によれば、現状の食習慣では1ha当たり6人しか扶養できないところ、作物を全て人間が食べるようにすれば、1ha当たり10人を養える計算になるとされています。

人間が食べることができる作物を畑で作らず、餌を作り家畜に与えてから畜産物として食べるのは、限られた地球資源を考えれば非効率的でありサスティナブルとは思えません。

穀物生産量は1950年から2000年までに約3倍に伸びましたが、今後の増加は難しいといわれています。農地の4割が既に劣化しており、画期的な食糧増産のブレイクスルーも見られないからです。加えて、これまでに行われてきた熱帯雨林の無秩序な伐採も深刻な状況です。

たくさんの肉を食べるアメリカ人の平均的食生活を基準にすると、この地球は26億人分しか食糧がない計算になります。途上国の人々が、先進国の食スタイルを現在のように追い求めれば明らかに食糧は欠乏するのです。

一人くらい食べてもとか、自分だけやめてもとか、とかく人間は言い訳を考えてしまうものです。しかし、子ども世代のことを真剣に考えたとき、あなたは「自分だけは肉を食べ続けていたい」と言えるでしょうか?

「ぼくが、肉をやめたわけ・5」は、こちらからお読みください。http://morinohotori.com/shoku_kenkou/stop_meet5/