8月も終盤、セミナーに集まった皆さんにどことなく酷暑疲れを感じた1日の始まりです。既に引退しているぼくは社会的なスケジュール感が薄くなっているのですが、皆さんからは「夏・8月終盤」の氣だるい感じが伝わってきたのです。ご自身の夏休みや、お子さんの夏休みがあったりして、自分もそうだったなぁと、ふと懐かしくなりました。

前回欠席された方が多かったので、最初に先月のおさらいを1時間ほど行いました。同じテーマ「種」について説明されるのですが、ところどころ先月に無かった解説があります。例えば、F1のニンジンは全て1株の種から始まっていること、そこに何を掛け合わせてゆくかで違った性質のニンジンができて、その中で価値あるものを作ることができたときは何十億、何百億と稼げる可能性がある世界というエピソードがありました。

今月のテーマは「秋・冬野菜の苗作り」です。苗土は、できれば畑の土を使うのが良い、その理由は種がその土を覚えているから定植のときに引越しのショックが少ないこと。ただ、畑の土はミネラル不足であることが殆どなので、それを補う苗土作りを行うことになる。また、苗土は重たいと大概は失敗するので軽くするための工夫をする。初心者は、市販の「銀の土」を使うと失敗が少ない、そして技術が付いてきたら畑の土を使う方法に移行してゆくことで良かろうということでした。

美代子さんが手配してくれる毎回違った作り手さんのお弁当が楽しみです。ランチ後に、Canvas の畑に移動して座学の実践です。まず、セミナーの畑で育っている野菜を観察した現状を、よりたかさんから解説してもらいました。誘引や余分な枝の整理、雑草の抑えなど、管理が行き届いていないことで野菜たちの姿に現れているとのことでした。自然栽培であればこれでも良いのだけれど、少し人間が手を加えることで果実が太る方向へ向けることができると、それぞれの野菜ごとに説明がありました。

これは、糸状菌と放線菌の違いを臭いで嗅ぎ分けているところです。雑草堆肥を作るときに、畝に入れてよいタイミングを計る目安となります。

今回の苗土は「銀の土」を使いました。春に畑の土を使ったやり方で、雑草が野菜の芽と混在することが管理を難しくした経験から、より易しい行い方も学ぶことになりました。そして、この時期の育苗のために強い日差しを遮る構築物を作りました。今回は、ぼくの好みで竹と葦簀を使ったものにしましたが、園芸用の支柱と遮光シートでも作ることができます。

日中の強い太陽光を遮る狙いで、その畑の陽の廻りを勘案して場所や角度などを決めて作ります。ブロックなどを利用して、育苗トレイを地面に接地しないように浮かし、育苗ポットの上には新聞紙をかぶせて、朝夕に水をかけてなるべくポットが乾燥しないように保ちます。芽が出たら、この新聞紙は取り除きます。秋・冬用の育苗で、また毎日の水やりが始まります。

秋・冬野菜の直播きも行い、大根とチンゲン菜の種を蒔きました。大根を育てる場合は、育てたい大きさまでの深さに畝を耕すことになります。そうすることで、真っ直ぐな形の大根が収穫できるようになります。曲がったり二股であってもかまわない場合は、耕さなくてもよいそうです。

この日にレクチャーを受ける予定項目を終えたところで、ジャガイモ、トマト、ピーマン、ナスなどを収穫、セミナー参加の皆さんにお持ち帰りいただきました。