今回の依頼は、手作りの食べものを販売するときに使う持ち運び可能な看板でした。おじいさんが始めたペンションのお孫さんが「やじぺんキッチン」というサブブランドで始めたこと。オーガニックな食材にこだわっていること。使いたい色はグリーンとオレンジであること。かわいい感じの看板が欲しいと思っていること。ペンションでランチタイムに入り口に置いたり、イベントの出店時にも使えるような看板ということでした。

それで作ったのがこの看板です。素材は古材で作ることにしました。こんなときは諏訪にあるリビルディングセンター・ジャパンに何か?を探しに行きます。あれこれ見ているうちに、これはこういう風に使えるよなとか想像しつつ頭の中で完成した姿を組み立ててゆくのです。訪れた日に何のような古材に出会えるかは想定できないので、そこがまた面白かったりします。リビセンについて以前書いた記事はこちらです。http://morinohotori.com/taikendan_nichijyo/rebuilding-center-japan/

古材は味わいがあるのですが柔くなっている材もあるので、ネジが効きにくかったり強度が落ちているものもあります。そんなことを考慮して、足と蝶番の付く部分は丈夫な桜材を使いました。

和菓子作りに使っていた型枠・珍しいものを見つけたので、これは風が強いときのウエイトに使うことにしました。O 型のリングで本体と取り外しができます。

どんな看板にしようかと打ち合わせ中に思いついて提案したのが、付け替えできるメニュー札です。横には黒っぽい板地を活かしてチョークで文字を書けるようにしました。

ご依頼いただいたのは「やじぺんキッチン」の小池美紀さんです。この看板を見かけたら、野菜ソムリエ&米粉マイスターの美紀さんが作る美味しくて安全なごはんに出会えますよ。

https://yazipen.com/welcome/kitchen/

あれこれ工夫してモノを作るのは、ぼくがとても好きなことです。基本的に氣心の知れた人からの依頼だけ受けさせてもらうスタンスで、デザインも含めてお庭作りなどを引き受けていたのですが、看板の依頼は二度目でした。数は作れませんが、これからもご縁をいただいた方からご依頼があれば作りたいと思います。

ぼくが何方かの何かを作らせてもらうときに大事にしたいのは、心地よくお付き合いできることです。報酬がよくても人を業者扱いするような方からの依頼は、たぶん受けないでしょう。その方のパーソナリティを知って、どういうモノが欲しいのかをその方が氣づいていないところも聞き出しながら作ることができたら良いなと考えています。お庭作りの場合はその方やご家族と一緒に作業できればなお良いと考えています。そのプロセスのいろいろが頼んでくれた方に喜んでいただければ、とても嬉しいことです。そのうえで過剰でない報酬をいただく、そんな感じでやっています。