安曇野から臼井健二さんに来ていただき、ペール缶とトマト缶(大)を使って「usui ライスクッカー8型」改良型の作り方を教わりました。
「ぬかくど」は、昭和20〜30年代に長野県安曇野地方でよく使われていたそうです。「ぬか」とは、もみがらを示すこの地域の言い方で、「くど(竈)」とは、かまどのことです。本物の「ぬかくど」は鋳物製で、お米作りが盛んなこの地方で沢山あるもみがらを利用して竈にできないかと考案されたそうです。
今でもわずかに製造されていますが買うとかなり高いので、捨てられてしまうもので作ろうというパーマカルチャー的発想で臼井さんが考えたのがペール缶のライスクッカーです。使いみちの少なかった籾殻を燃料として利用でき、燃焼させた後は畑に籾殻くん炭として使えるのも良い点です。
改良型は、20mmの金属用ドリルだけで穴を空けてゆくシンプルなものです。最初に、トマト缶とペール缶に穴を開ける位置をマジックで付けてゆきます。そして、インパクトドライバーで穴を開けるだけです。あまりにも簡単すぎて、2時間もかからずに全員のライスクッカーが完成しました。
さっそく、完成した「ぬかくどストーブ」で炊き込みごはんを炊きました。トマト缶の高さ分に入れた籾殻だけで、みごとにご飯が炊きあがりました。この臼井さんの炊き込みごはんと、皆さんが持ち寄ったお料理で、今回も素晴らしいランチとなりました。この季節、外で食事するのはとても氣もちがよく楽しいものですね。
参加された皆さんの話に花が咲きます。「にほんミツバチの養蜂とハチミツの話」「ブルーベリー栽培の話」「パン作りと酵母の話」他にも興味深い話がつきませんでした。
食後は、白州に住むわたなべあきひこさん作の「ぬかくどストーブ」を真似て、ぼくが試作したものを燃焼実験しました。あきひこさんは「自給知足がおもしろい」というブログの中で、いろいろな手作り・セルフビルドを披露されている方です。ぼくも、このブログから学ばせてもらっています。
トマト缶を2つ繋げて、そこにできた燃焼室にペール缶の外側からダイレクトに外気を呼び込む方式で、その導入官を斜めにずらして配置し炎にトルネードを発生させようとしたのが工夫点です。結果は、トマト缶に空けた小さな穴を籾殻から発生したガスが噴き出る様子と、外気を取り込んだパイプからの炎の勢い良さも観察でき、想定以上に良い燃焼でした。
臼井さんは「みんなが、どんどん自分で改良してその結果をシェアして良いものにしてゆきましょう」と仰っていました。このライスクッカーは使い続けると、3年で錆びて構造がもたなくなってくるので、その度に改良した新しいものが作れるわけです。そうしたことにも、ぼくは少しワクワクを覚えます。
臼井さんも詳しいレポートをアップしていますので、そちらもご覧ください。https://note.mu/kenjiusui/n/ndfad5eb3b7f7
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